会津の岩場

本郷大石

1.場 所
 会津本郷町の温泉(湯陶里)の南,会津本郷町大石地区の南部にある岩壁。
2.概 要
 会津のクライマーが昔からトレーニングに使っていた岩場。岩は高さ80m,幅80mで上部に大きなハングがあるが,岩質は脆い(特に上部のハング帯)。大半は人工ルートで,開拓時に設置した手作りハンガーボルトや残値ハーケンなどが多く,登るときには注意が必要。また,下部は比較的岩がしっかりしているので,ペツルのボルトが打たれたルートが2〜3本あるが,ルート名やグレードはいずれも不明。個人的なおすすめは,快適な南面フェースを登り,そこから岩壁中央上部ハングの上に回り込んでの空中懸垂。ロープのよじれでクルクル回りながら眺める大川は気持ちが良いです。
3.ルート
 今回記載したルート図は昭和54年3月に発行した会津山岳会20周年記念誌「すかり」に書かれたものをそのまま載せました。現在は,このルート図に書かれていないルートもかなりありますが,残念ながら当会で全てを把握している人がいないので,ルートの追記はしませんでした。なお,グレードは書いていませんが南面フェース及び松の木ルートが初級のフリールートでそれ以外は概ね人工が入ります。ペツルのボルトが打ってある場所は斜上バンド〜蜂の巣テラスの下部です。
※ルート図

北山

1.場 所
 R459を喜多方から裏磐梯方面に向かい,北塩原村役場,中学校を過ぎてカーブを曲がった先にある道路左手の小さな広場(要害山駐車場)に車を止め,駐車場(4台程度駐車可能)から踏み跡を2〜3分ほど登った所にある。また,岩場の上をさらに登っていくと,標高392mの要害山山頂に着く。ここには,中世の山城があったらしく,史蹟(網取城址)として村の指定を受けている。
2.概 要
 主に,会津山岳会が中心となり昭和60年〜62年の間に大部分を開拓。岩質はやわらかいが,クラックが多数ある。現在,5.8〜5.11前半と思われるルートが26本あるが,当時は岩登りのトレーニング場として開拓した為,人工の混じったルートもある。しかし,今はフリークライミングのゲレンデとして活用している為,人工ルートは登られていない。また,岩場を正面に見て右奥の広場のある場所を「静御殿」正面の日当たりの良い場所を「ビーバックパラダイス」,左側を「藤御殿」としているが,このうち「静御殿」に関しては良く登られているので,ケミカルアンカーなどを使い比較的整備されているが,残り二つの場所は開拓当時のままなので,ナチュプロ及び残値ハーケン,リングボルトを使って登る事になる。逆にあまり整備されていないので,この場所でエイドクライミングの練習をする人もいる。また,数年前に「ビーバックパラダイス」右側の木が倒れ岩場基部の道が無くなり,取り付きにくくなったルートもある。
 ※藤御殿の左奥にも壁が続いていますが,全く手を付けていません。蔦やコケがびっしりついています。
3.ルート
 今回記載したルート図は開拓当時のルート図です。したがって,それ以降に作られたルートは記載されていませんが,静御殿に2,3ルート増えているだけなので,ルート図が無くてもボルトの位置でだいたい分かるはずです。なお,静御殿の2番(奥の細道)〜6番(ペルクラック)までは,良く登るのでシーズン始めに枯れ葉をちょっと掻き出す程度でクラックが使えるが,それ以外のクラックはあまり登られないので,大掃除をしないと登れないと思う。また,ルート図にはナチュプロ使用の有無を記載していないが,基本的にクラックのあるところはナチュプロです。ただし,ペルクラックの近くにはバリエーションルートの為にボルトが打ってあります。
※ルート図
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